世界遺産とは

1972年(昭和47年)のユネスコ総会で「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)が採択されました。
「世界遺産」とはこの条約に基づき、人類が共有財産として国際的に保護・保全していくことが義務づけられている「遺跡」や「建造物」「自然」などのことです。

世界遺産は、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれた貴重な財産です。中には人類の残酷な歴史を刻むもの、また戦争や自然災害、環境汚染などにより危機にさらされているものも含まれています。それらは国際協力を通じた保護のもと、国境を超えて今日に生きる世界のすべての人々が共有し、次の世代に受け継いでいかなければならないものです。

世界遺産には「文化遺産」「自然遺産」「複合資産」という3つの種類があります。

文化遺産

「文化遺産」は、顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観などを示します。岩手県を代表する「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」と、橋野鉄鉱山を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」も、この「文化遺産」に含まれます。

日本で登録されている「文化遺産」
世界遺産名 所在地 関連サイト
法隆寺地域の仏教建造物 奈良県 http://www.horyuji.or.jp/index.htm
姫路城 兵庫県 http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle.html
古都京都の文化財 京都府、滋賀県 http://www.pref.kyoto.jp/isan/
白川郷・五箇山の合掌造り集落 岐阜県、富山県 http://shirakawa-go.org/kankou/area01/
厳島神社 広島県 http://www.miyajima.or.jp/sightseeing/ss_itsukushima.html
原爆ドーム 広島県 https://www.hiroshima-kankou.com/world-heritage/world-heritage/dome
古都奈良の文化財 奈良県 https://narashikanko.or.jp/feature/world-heritage/
日光の社寺 栃木県 http://www.sekaiisan-nikko.jp/
琉球王国のグスク及び関連遺産群 沖縄県 http://bunka.nii.ac.jp/special_content/hlink9
紀伊山地の霊場と参詣道 三重県、奈良県、和歌山県 http://www.pref.wakayama.lg.jp/sekaiisan/
石見銀山遺跡とその文化的景観 島根県 http://ginzan.city.ohda.lg.jp/wh/jp/index.html
平泉 -仏国土(浄土)を表す建築・
庭園及び考古学的遺跡群-
岩手県
富士山 -信仰の対象と芸術の源泉 静岡県、山梨県 http://www.fujisan223.com/
富岡製糸場と絹産業遺産群 群馬県 http://worldheritage.pref.gunma.jp/ja/
明治日本の産業革命遺産
製鉄・製鋼、造船、石炭産業
岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県 http://www.japansmeijiindustrialrevolution.com/
ル・コルビュジエの建築作品
-近代建築運動への顕著な貢献-
国立西洋美術館=東京都
※7ヶ国にまたがる構成資産のひとつ
https://www.nmwa.go.jp/jp/about/building.html
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 福岡県 http://www.okinoshima-heritage.jp/

自然遺産

「自然遺産」は顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、景観、絶滅のおそれのある動植物の生息・生息地などを含む地域を示します。

日本で登録されている「自然遺産」
世界遺産名 所在地 関連サイト
白神山地 青森県、秋田県 http://www.shirakami-visitor.jp/
http://www.pref.aomori.lg.jp/nature/nature/shirakami.html
屋久島 鹿児島県 http://www.tabian.com/tiikibetu/kyusyu/kagosima/yakusima/
知床 北海道 http://shiretoko-whc.jp/
小笠原諸島 東京都 http://www.soumu.metro.tokyo.jp/07ogasawara/nature/wnhogasawara.html
https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/

複合資産

「複合遺産」は、「文化遺産」と「自然遺産」の両方の価値を兼ね備えている遺産を示します。現在日本には複合遺産の登録はありません。

日本の世界遺産 厳島神社(広島県) 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県) 古都奈良の文化財(奈良県) 知床(北海道) 明治日本の産業革命遺産 ―製鉄・製鋼、造船、石炭鉱業―(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、岩手県、静岡県) ル・コルビュジエの建築作品-近代建築への顕著な貢献-(国立西洋美術館=東京都) 法隆寺地域の仏教建造物(奈良県) 屋久島(鹿児島県) 姫路城(兵庫県) 白神山地(青森県、秋田県) ル・コルビュジエの建築作品-近代建築への顕著な貢献-(国立西洋美術館=東京都) 日光の社寺(栃木県) 紀伊山地の霊場と参詣道(奈良県、和歌山県、三重県) 原爆ドーム(広島県) 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県) 富士山 ―信仰の対象と芸術の源泉―(静岡県、山梨) 古都京都の文化財(京都府、滋賀県) 琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県) 石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県) 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)

世界遺産登録までの経緯

世界遺産の登録は、以下の過程で行われます。

1. 登録を求める地域の担当政府機関(文化庁、環境庁など)が「暫定リスト」に記載されている資産候補の中から選択し、外務省を通じて推薦書をユネスコに提出。
2. ユネスコ世界遺産センターが専門機関に評価を依頼
 「文化遺産候補」⇒国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が調査、報告
 「自然遺産候補」⇒国際自然保護連合(IUCN)が調査、報告
3. 専門機関から評価を受けたユネスコ世界遺産センターが世界遺産委員会で審議するための原案を作成
4. 世界遺産委員会で最終的な審議がなされ、ここで決議されることで正式登録

世界文化遺産の登録基準

  1. 人類の創造的才能を表現する傑作。
  2. ある期間を通じて、または、ある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  3. 現存する、または、消滅した文化的伝統、または、文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠。
  4. 人類の歴史上重要な時代を例証する、建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例。
  5. 特に、不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている、ある文化(または、複数の文化)を代表する伝統的集落、または、土地利用の際立った例。
  6. 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰、または、芸術的、文学的作品と、直接に、または、明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましい【世界遺産委員会】)。

たとえば「法隆寺地域の仏教建築物」については、上記基準のi、ii、iv、viの基準を満たしていることが認められています。広島の「原爆ドーム」についてはviの基準を、「紀伊山地の霊場と参詣道」についてはii、iii、iv、viの基準を満たしているとして、それぞれ登録が決定しました。

世界自然遺産の登録基準

※i~viは文化遺産の基準

  1. ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ、最高の自然現象、または、地域を含むもの。
  2. 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには、生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  3. 陸上、淡水、沿岸、および、海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
  4. 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには、科学上、または、保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

知床は登録基準のixとxを満たしていると判断されて登録されました。また、白神山地は基準ix、屋久島はviiとixの基準を満たしていると認められ、それぞれ世界自然遺産となりました。